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データ通信を世界中に届ける『Pangea Communications』

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Pangea

Facebookが主導している「Internet.org」やGoogleによる「Project Loon」は、いずれもいまだインターネット環境が届いていない地域へ届けるためのプロジェクトだ。これはただ社会貢献というだけではなく、世界中の人々へ自社のビジネスを届けるための立派なビジネス戦略なのだ。これまでこの理想を実現するためにドローンや気球の利用が発表されていたが、『Pangea』はこれを異なる方法で実現しようとしている。

5月4日から6日まで行われたTech Crunch Disrupt NYにて発表した『Pangea』は、通信データを超音波に転換し、電話回線を介してモバイルデバイスへ伝達させる、というイノベーティブなソリューションを紹介した。ピッチ中にはデモも行われており、データ通信をオフにしても一瞬電話がかかった後にゆっくりではあるがGoogleでの検索結果が読み込まれる。普段Wifiを利用している我々からすると(特に回線スピードの早い日本にいると)非常に遅く感じられるが、手段がないところにソリューションが生まれるというのは大きな一歩である。

設定方法もPangeaのアプリケーションをダウンロードするのみ。最初は都市部などWifiがある場所でダウンロードする必要があるが、1人がダウンロードすればBluetoothを通じて他のデバイスへアプリを送る事ができるという。既にアフリカの通信会社と共同事業の話が進んでおり、この夏にはナイジェリアでサービスを開始するという。国を選ばないソリューションなので、ここで実績ができれば展開はそう難しくはないだろう。