Innobeat

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株式取引を身近にする『Robinhood』

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Robinhood

あらゆる業界において、技術を武器にしたスタートアップが既存のプレーヤーを相手に価格破壊へ挑戦している。以前紹介した『CoinPip』も手数料が高いという問題を抱える海外送金サービスに挑戦していたが、『Robinhood』は株式売買の世界に価格破壊を起こすスタートアップだ。

アメリカの株取引においては1回あたりの取引に$7~$10が手数料として取られ、更に最低預金額が定められている現状がある。これは若者や貧しい人々にとって敷居の高いものだった。『Robinhood』はその手数料を無料にして最低預金額もなくし、さらにスマートフォンアプリ上だけで取引が完結できるという画期的なサービスなのだ。50万人もの人が事前登録を行い、今年3月のサービス開始から既に$500Mもの取引が行われたという数字も、関心の高さを表しているといえるだろう。

では本来手数料ビジネスであるはずのサービスをどのように収益を得ているのだろうか。もちろん2014年9月までに調達した$16Mが使われていることはたしかなのだが、その他にもユーザーが預金している未投資資本の利子がキャッシュポイントとなる。有料サービスも今年後半には始めるとのことなので、それにより収益化を目指すのだろう。

さらに本日New Enterprise Associates(NEA)等より$50Mの調達を発表し、オーストラリアへの進出を発表した。現在承認プロセスを進行中で、こちらも今年後半にサービスを開始する予定だという。更にその後はカナダ・イギリスが候補となっているようだが、日本に進出する日は遠くないかもしれない。